日本三大奇祭


日本三大奇祭

日本には古くから伝わる祭がたくさんあります。中には、その地域独特の風習や伝承に基づくものがあって、他の地域からは“風変わりなもの”と見えるものもあります。それを「奇祭」と呼び、ここでは「なまはげ柴灯祭」「御柱祭」「吉田の火祭」を「日本三大奇祭」としてご紹介します。 なお、外してしまいましたが捨てがたい奇祭を、次項の「日本三大奇祭の異説 その1」「日本三大奇祭の異説 その2」の中でご紹介しますので、合わせてご覧ください。さらに、「京都三大奇祭」も別ページでご紹介していますので、合わせてご覧ください。

なまはげ柴灯祭(せどまつり)

松明をかざし、下山する「なまはげ」
松明をかざし、下山する「なまはげ」

毎年2月に開催される「なまはげ柴灯(せど)祭」は、真山(しんざん)神社の正月の神事「柴灯祭」と、伝統的な風習である「なまはげ」を組み合わせ、神社境内で開催しているものです。男鹿の冬を代表する冬祭りとして昭和39年に始まりました。真山神社境内に焚き上げられた柴灯火のもとで繰り広げられる勇壮で迫力ある「なまはげ」の乱舞は見る人を魅了します。

男鹿温泉郷の冬場の観光を盛り上げようと企画した「雪まつり」を北浦湯本にある星辻神社で行ったのが始まりで、菅原慶吉氏(のちの男鹿市長)等が先に立ち、奈良環之助氏(民俗学者、秋田市議など)の指導を受けて、真山神社で行われている「柴灯祭」を取り入れたとされています。
観光目的のため、神事の再現の他、太鼓や踊り、クライマックスである下山まで、「なまはげ」の魅力がふんだんに盛り込まれたものとなっています。

「男鹿のなまはげ」
大晦日の晩、それぞれの集落の青年たちがナマハゲに扮して「泣く子はいねがー、親の言うこど聞がね子はいねがー」「ここの家の嫁は早起きするがー」などと大声で叫びながら地域の家々を巡ります。 男鹿の人々にとってナマハゲは、怠け心を戒め、無病息災・田畑の実り・山の幸・海の幸をもたらす年の節目にやってくる来訪神です。
1978年に国重要無形民俗文化財に指定。さらに2018年にユネスコ無形文化遺産に登録されました。


【なまはげ柴灯祭データ】
会期と会場
2月の第2金~日曜日
真山神社境内
問い合わせ先
真山神社 秋田県男鹿市北浦真山字水喰沢97


御柱祭(おんばしらまつり)

巨木が坂を下る、御柱の「木落し」
巨木が坂を下る、御柱の「木落し」

御柱祭の正式名称は「式年造営御柱大祭」といい宝殿の作り替え、社殿の四隅に「御柱」と呼ばれる樹齢150年を優に超える樅(もみ)の巨木を曳建てる、長野県の諏訪大社で最大の神事です。諏訪地方の6市町村の氏子たちがこぞって参加して行われます。

諏訪大社は、諏訪湖湖畔に2社4宮(上社本宮、上社前宮、下社春宮、下社秋宮)があり、全国の諏訪神社の総本社です。上社・下社それぞれで、その4宮の「御柱」として樅の巨木16本を7年目ごとの寅と申の年に曳き建てます。10トン近くなる巨木を人力で「山出し」、次々と坂を下る「木落し」、川を曳き渡る「川越し」と、男達の度胸を試す命がけの行事です。
山出しの最大の見せ場は、下社の『木落し』です。人がまたがった御柱が急斜面をすごい勢いで滑り落ちます。滑り落ちきった後に、一番前に座っていられるように氏子たちが御柱に必死でしがみつきます。さらに上社では木落しのあとに、まだ凍えるような水温の川幅43メートルの宮川を越える『川越し』も見応えがあります。

まさに天下の奇祭として知られる御柱祭ですが、その歴史は桓武天皇の時代(9世紀)までさかのぼると伝えられています。現在では20万人以上の氏子や観光客が集まります。長野県指定無形民俗文化財です。


【御柱祭(式年造営御柱大祭)データ】
※7年毎の開催です。
会期と会場
4月上旬「山出し」・5月下旬「里曳き」
諏訪大社(上社本宮・上社前宮・下社春宮・下社秋宮)
問い合わせ先
諏訪大社 上社本宮 長野県諏訪市中洲宮山1
御柱祭公式ホームページ(諏訪地方観光連盟 御柱祭情報センター)

吉田の火祭(よしだのひまつり)

町中が松明で照らされる「火祭」
町中が松明で照らされる「火祭」

毎年8月の終わりに行われる「吉田の火祭」は、北口本宮冨士浅間神社とその摂社(境内社)の諏訪神社の「鎮火祭」です。町中に松明が焚き上げられ、富士山の噴火を鎮める祭礼となっています。夜空を焦がす、大松明の荒々しい炎に人々は興奮し、魅了されます。

この火祭の起源ははっきりしません。一番古い記録は室町時代の元亀年間(16世紀)には神輿渡御、さらに江戸時代には松明を燃やす祭が始まっていたようです。

【吉田の火祭(鎮火祭)データ】
会期と会場
8/26~8/27
北口本宮冨士浅間神社(神輿渡御は神社~市街地)
問い合わせ先
北口本宮冨士浅間神社 山梨県富士吉田市上吉田5558
吉田の火祭(ふじよしだ観光振興サービス)