京都三大奇祭


京都三大奇祭

古都である京都は、多くの祭があり、人々の生活の中で長年親しまれています。1000年以上続くものも少なくなく、世界的にもスケールの大きなものもあります。その中で、特に有名なものを「京都三大祭」として、前項で紹介しましたが、それとは別に、独特な風習を残す奇祭もあります。その特徴的な祭を「京都三大奇祭」として、「鞍馬の火祭」「今宮やすらい祭」「太秦の牛祭」をご紹介します。

鞍馬の火祭(くらまのひまつり)

松明を持った、迫力満点の行列
松明を持った、迫力満点の行列

京都鞍馬にある由岐神社の例祭「鞍馬の火祭」は、大小の松明を担いだ人々と、その炎に浮かび上がる神輿の練り歩きに熱狂する京都有数の奇祭・火祭です。その始まりは平安時代の天慶年間(10世紀)に、時の天皇が御所内の由岐明神を鞍馬の地に御遷宮したことと伝えられています。その際、道々にかがり火を焚き、長い行列を進んだ姿に鞍馬の人々は感激し、その姿を祭として残したのです。

【鞍馬の火祭(由岐神社例祭)データ】
会期と会場
10/22
由岐神社(神輿は鞍馬町内を巡行)
問い合わせ先
由岐神社 京都府京都市左京区鞍馬本町1073


今宮やすらい祭(いまみややすらいまつり)

鬼たちが太鼓を打ち鳴らしながら踊る
鬼たちが太鼓を打ち鳴らしながら踊る

「やすらい祭」は、桜の散る季節に花の霊を鎮め、疫病を払おうとする古くからの祭です。現在も京都のあちこちで行われていますが、中でも有名なのが今宮神社の「やすらい祭」です。

桜や椿で飾った花笠を中心に、子鬼、赤と黒の大鬼、囃子方等に扮した行列が、太鼓やお囃子とともに跳びはねるように踊り歩きます。疫病を納めるために氏子区域をくまなく練り歩き、最後に神社の境内で、2組8人の大鬼が大きな輪になってやすらい踊りを奉納します。見どころは、この最後の奉納踊りで、「上野やすらい」と「川上やすらい」の二つのやすらい踊りを見比べるのも面白いです。
囃(はや)したり踊ったりするのは、豊かな稲の実りを祈るとともに、花の精にあおられていたずらをして回る疫神を、踊りの中に巻き込んで鎮めるためといわれています。
花傘の下に入ると厄除けになるので、皆が競って入り、周りの人々もひとつになって楽しめます。

平安時代後期、洛中に疫病や災害が蔓延し、特に桜の散り始める陰暦3月に疫病が流行したので、花の霊を鎮め、無病息災を祈願したのが祭りの起こりと言われています。1000年以上守られ続けた祭は、国指定重要無形民俗文化財になっています。


【今宮やすらい祭データ】
会期と会場
4月第2日曜日
今宮神社~周辺の氏子町内をお練り
問い合わせ先
今宮神社 京都府京都市北区紫野今宮町21

太秦の牛祭(うずまさのうしまつり)

神話の世界を再現するかのような古式
神話の世界を再現するかのような古式

京都太秦の広隆寺は、聖徳太子ゆかりの、京都最古の寺です。ここでの神事「牛祭」は夜、まだら神(仏教天台宗における護法神)の面をした者が牛にまたがり、その周りを四天王の面をした者が松明を持って従って一巡。祭文を読み上げ、堂内に飛び込むという古式ゆかしい祭事となっています。

【太秦の牛祭データ】
※開催時期未定です。
会期と会場
10月
広隆寺
問い合わせ先
広隆寺 京都府京都市右京区太秦蜂岡町32