博多三大祭


博多三大祭

博多は祭の多い土地柄です。季節を通じて、さまざまな行事が開催されていますが、その中で、春の「博多どんたく港祭」、夏の「博多祇園山笠」、そして秋の「放生会」を、「博多三大祭」としてご紹介します。

博多どんたく港祭(はかたどんたくみなとまつり)

大通を進む「どんたくパレード」
大通を進む「どんたくパレード」

「博多どんたく港祭」は、博多松囃子(まつばやし)を起源とするお祭りで、二日間で200万人もの観客数を数える全国有数のお祭りです。福岡市民が総出で仮装をし、しゃもじを叩いて町を練り歩く、賑やかな行事となっています。

どんたく広場(明治通り)での大規模なパレード(呉服町→天神間1.3km)や、市内約30か所に設置される演舞台など、見どころが盛りだくさん。
また、国指定重要無形民俗文化財となっている「博多松ばやし」は、三福神(福神・恵比須・大黒)の3流れと稚児流の合計4つの流れで形成されており、どんたくパレードの幕開けを飾るほか、市中を祝って廻ります。冠を被った舞姫たちが地謡をし、太鼓や笛に合わせて優雅に舞う姿も見られます。

練り歩くどんたく隊を眺めのよいスタンド席から見ることができる観光桟敷席(有料)のチケットも販売されます。

祭の起源は、平安末期の治承年間(12世紀)にさかのぼると伝えられています。当時の松囃子を人々は守り、発展し続けて、今の「どんたく」に至っています。
明治5年、新政府から来た県知事によって松囃子はいったん中止させられましたが、明治12年に再開され「博多どんたく」と呼ばれるようになりました。「どんたく」はオランダ語のZondag(ゾンターク、休日の意)がその語源と言われています。


【博多どんたく港祭データ】
会期と会場
5/3~5/4
福岡市内各所(演舞台あり)
問い合わせ先
博多どんたく港まつり(福岡市民の祭振興会)


博多祇園山笠(はかたぎおんやまがさ)

博多を疾走する「追い山」
博多を疾走する「追い山」

「博多祇園山笠」は、博多の人々にとって、伝統的に守り伝えられた町内行事です。それは、流(ながれ)と呼ぶ、博多の町をいくつかの区域に分け、「流」単位で競い合うことからも見てとれます。また、女人禁制で、曳き手は子どもも含めて全て男性であり、力強く山笠が巡行します。一番のクライマックスは15日の「追い山笠」で約5キロの工程を疾走します。 如何に美しく山を櫛田の清道で動かし、全町コースで勇壮に動かしたかが問われるもので、熟練の曳き手たちのスピードによる競争が迫力満点です。

博多祇園山笠の日程は7/1~7/15で、期間中は市内各所に飾り山笠が建ち祭気分を盛り上げてくれます。飾り山笠は主に歴史物のテーマが多いようですが、「見送り」といわれる裏は子供用にアニメの人形を飾っている山が多く見られます。 ちなみに町中を担ぐのは「舁き山笠」といい、飾り山笠より少し小ぶりに造られています。

博多祇園山笠の起源は諸説あるようですが、1241年に承天寺(じょうてんじ)の開祖、聖一国師弁円が施餓鬼棚(せがきだな)に乗って疫病退散を祈願しながら博多市内をまわったのが始まりとする説が有力です。当時は神仏混淆の時代。これが災厄除去の祇園信仰と結びついて山笠神事として発展したということです。また、祭のグループ単位である「流」は、豊臣秀吉が戦争で焼け野原になった博多の町を復興する際に定めました(太閤町割)。
現在、博多祇園山笠は、国指定重要無形民俗文化財、ユネスコ無形文化遺産に登録されています。


【博多祇園山笠(櫛田神社例大祭)データ】
会期と会場
7/1~7/15
櫛田神社(曳き山笠巡行は櫛田神社~博多市街地)
主な行事
7/1〈山笠一般公開〉
7/10〈流曳き〉各「流」区域内による曳き山笠の巡行
7/11〈朝山笠(流曳き)〉〈他流曳き〉
7/12〈追い山笠ならし〉追い山笠のリハーサル
7/13〈集団山見せ〉
7/14〈流曳き〉
7/15〈追い山笠〉
問い合わせ先
櫛田神社 福岡県博多区上川端町1-41
博多祇園山笠公式サイト(博多祇園山笠振興会)

放生会(ほうじょうや)

露店が1kmにも及ぶ筥崎宮参道
露店が1kmにも及ぶ筥崎宮参道

博多では“梨も柿も放生会”という言い回しがあります。豊穣を祈り、山の幸・海の幸に感謝する祭です。全国各地の八幡宮で行われていますが、博多の「放生会」は、1000年以上の歴史と、100万を超える参拝者、500を数える露店が並び、特に有名です。

放生会が行われる筥崎八幡宮は、日本三大八幡宮の一つとされ、延喜年間(10世紀)に創建されたと伝えられています。放生会もその頃から祭礼の一つとして行われていたと考えられています。

【放生会データ】
会期と会場
9/12~9/18
筥崎八幡宮
問い合わせ先
筥崎八幡宮 福岡県福岡市東区箱崎1-22-1