名古屋三大祭


名古屋三大祭

今、名古屋最大の祭と言えば、「名古屋まつり」を上げる人が多いのではないでしょうか。織田信長・豊臣秀吉・徳川家康の三英傑を中心とした大行列や山車、神楽なども登場した華やかなものです。しかし、もともと「名古屋三大祭」と言えば、江戸時代では「天王祭」「若宮祭」「東照宮祭」を上げる方が通例でしょう。ここでは、その3つをご紹介します。

天王祭(てんのうまつり)

現在の名古屋の祭に影響を与えた那古野神社
現在の名古屋の祭に影響を与えた那古野神社

那古野神社(なごやじんじゃ)は、かつて亀尾天王社と呼ばれ、創建は醍醐天皇の時代の延期11年(911)と伝えられています。名古屋城築城の際には、城の鎮守、城下町の氏神となりました。その例大祭はすでに戦国時代には楽車(だんじり)が出され、盛んに行われていた由緒正しい祭礼でしたが、現在は境内に飾られる車楽1輌に僅かに往時の面影を残します。

15日は宵祭で、神楽太鼓、歌謡舞踏が奉納され、境内南にある能舞台の西に焼失を免れた唯一の車楽に、多くの提灯で津島の巻藁船の様に半円球状に形造る車楽点灯が行われます。16日の本祭では13時半より、祭りの名物となっている赤ふんどしの担ぎ手による若宮神社まで神輿のお渡りが行われます。
若宮神社までの距離は片道約1.5キロメートルもあり、長さ10メートル、幅2メートル、重さ1トン近くもある神輿を担ぐのは重く大変です。最大の見どころは、桜通り本町交差点で行われる神輿練りで見ごたえがあります。


【天王祭(那古野神社例大祭)データ】
会期と会場
7/15~7/16
会場と問い合わせ先
那古野神社 愛知県名古屋市中区丸の内2-3-17


若宮祭(わかみやまつり)

300年以上の伝統を若宮八幡社の「若宮祭」
300年以上の伝統を若宮八幡社の「若宮祭」

名古屋の総鎮守「若宮八幡社」の約350年の歴史と伝統を誇る祭礼が「若宮祭」です。毎年5月に催される「若宮祭」の見どころは、江戸時代に作られた4体の“からくり人形”が乗る山車「福禄寿車」です。
1日目の試楽祭では、この“からくり人形”の実演が奉納され、2日目の本祭では、神輿渡御・山車奉曳があり、本町通りを那古野神社まで時代行列が往復します。

祭は寛文年間(17世紀)に始まったと考えられています。最盛期には7台の山車があり、名古屋城内まで引き廻されるなど、大変な賑わいだったと伝えられていますが、現在は「福禄寿車」1台を残すこみとなってしまいました。


【若宮祭データ】
会期
5/15~5/16
主な行事と会場
5/15〈試楽祭〉 若宮八幡社境内
5/16〈例大祭〉 神輿渡御・山車奉曳は那古野神社まで本町通りを往復
問い合わせ先
若宮八幡社 愛知県名古屋市中区栄3-35-30

東照宮祭(とうしょうぐうまつり)

東照宮祭の舞楽奉納
東照宮祭の舞楽奉納

毎年4月徳川家康の命日に開催される東照宮祭は、戦前までは名古屋祭と呼ばれ、山車や行列など、江戸時代の最盛期には壮大なスケールの祭でしたが、現在は山車が焼失し、境内での雅楽・舞楽などが中心です。しかしながら、前夜祭では雅楽の演奏とともに、境内の朱塗りの舞台でライトアップされた舞楽をみることができ、歴史ロマンを感じることができます。

名古屋東照宮は元和5年(1619)藩祖徳川義直が名古屋の開祖徳川家康公を御祭神として名古屋城内に創建し、明治8年(1875)に現在地に移転しましたが、昭和20年の戦災で焼失しました。現在の本殿は、かつて万松寺にあった義直の正室高原院の御霊屋(おたまや)が大正3年に建中寺に移されたものを昭和29年に移築したもので現在は愛知県重要文化財指定となっています。


【東照宮祭(旧名古屋祭)データ】
会期と会場
4/16~4/17
会場と問い合わせ先
名古屋東照宮 愛知県名古屋市中区丸の内2-3-37