日本三大祇園祭


日本三大祇園祭

「祇園祭」と言えば、京都の夏を代表する八坂神社の祭礼です。疫病が蔓延することが多かった平安時代、行疫神(疫病や災厄をもたらす神)を和ませるために行われた「祇園御霊会」が原型となっています。この八坂神社を本社とし、全国に「祇園信仰(行疫神であるスサノヲノミコトを祀る)」の神社が増えていきました。それと同時に、盛んとなっていった「祇園祭」のお囃子や山車などの華やかな行事も地方に影響を与えていったのです。ここでは、それを「日本三大祇園祭」として本社の京都、さらに博多、会津をご紹介します。

祇園祭(ぎおんまつり)

京都の祇園祭(写真提供:kyoto-design.jp)
京都の祇園祭(写真提供:kyoto-design.jp)

1000年以上の歴史がある「祇園祭」の原点、京都八坂神社では、7月の1ヶ月間に渡って、さまざまな行事が催されます。まさに京都の夏を象徴する祭であり、「日本三大祭」の一つとしても数えられています。
祭の詳細は「京都三大祭」をご覧ください。

【祇園祭データ】
7/1~7/31
八坂神社(京都府京都市東山区祇園町)


博多祇園山笠(はかたぎおんやまがさ)

鎌倉時代から始まったと言われる「博多祇園山笠」は800年近い伝統があります。現在の形の原型ができたのは、戦国時代。京都のとは異なり、勇壮な男祭であることも特徴です。
博多三大祭」の一つにも数えられていますので、詳細はそちらをご覧ください。

【博多祇園山笠(櫛田神社例大祭)データ】
7/1~7/15
櫛田神社(福岡県博多区上川端町)

会津田島祇園祭(あいづたじまぎおんまつり)

南会津「田島祇園祭」の神輿渡御
南会津「田島祇園祭」の神輿渡御

毎年7月に開催される「会津田島祇園祭」は田出宇賀神社と熊野神社の祭礼で、シャンギリと呼ばれる田島祇園囃子が鳴り響く、地域に根付いた800年近い伝統の祭です。お祭りの期間中は数多くの露店や4つの大屋台が立ち並び、大勢の観光客が訪れます。

大屋台で愛らしい姿を見せる「子供歌舞伎」や、40人近い女性が花嫁姿で神様へのお供え物を運ぶ「七行器(ななほかい)行列」、町中を廻る「神輿渡御(みこしとぎょ)」「大屋台運行」、そして最終日に神社の神楽殿で奉納される、クライマックスの「太々御神楽(だいだいみかぐら)」など、見どころもたくさんあります。

祭の由来は、鎌倉時代の文治年間(1185年~1189年)にこの地の領主になった長沼宗政が祇園信仰を重んじ、田出宇賀神社で祇園祭の儀式を執り行ったこととされており、その後慶長年間(17世紀)に、京都の八坂神社の祭礼を取り入れ、現在の形に至りました。
祭が行われる田出宇賀神社・熊野神社はそれぞれ別の神社ですが、明治時代に熊野神社は現在の田出宇賀神社に合祀されたため、鳥居は二つ、社務所も二つ、賽銭箱も二つ、宮司様もそれぞれの神社に一人ずつ存在します。
なお、京都の祇園祭同様、「会津田島祇園祭」も国指定重要無形民俗文化財となっています。


【会津田島祇園祭(田出宇賀神社例祭)データ】
会期と会場
7/22~7/24
田出宇賀神社(神輿渡御は神社~南会津町田島地域)
主な行事
7/22〈宵宮〉子供歌舞伎や大屋台運行など
7/23〈本祭〉七行器御売れる・神輿渡御・大屋台運行など
7/24〈太々御神楽祭〉
問い合わせ先
田出宇賀神社 福島県南会津町田島字宮本甲621
会津田島祇園祭(南会津商工観光課)